遠い歴史を刻む馬の祭りは続いてほしい

厳しい北風に耐えながら、農耕を助けてくれた感謝を捧げる行事が、営まれていた。数百年前は、雪で覆われた田畑に残る足跡をたどり、動物の背に乗り山あいを巡ったという。

歴史を象徴し、石川県の馬の祭りは受け継がれてきた。語り草は寒さと共に生き抜く、たくましさを現代へ伝えている。

厳粛さを残しつつ、一転して柔らかな陽光の下で開かれる。鮮やかな装束をまとい、野原をゆったりと進む様子は、芸術作品みたいだよ。

古式神事を模した儀礼が終わると、人々が集まり子供達が芝生へ寝そべり、口々に感想を語り合う。苦労や試練を乗り越えた先にある連帯感が、ふと顔をのぞかせる瞬間だ。

夕暮れどきになると、石川県の馬の祭りは締めくくりを迎える。静かに笛が谷間に響き、動物たちは行進を終えて消えていく。

雪深い道を共に歩んだ先人たちの思いを胸に、我らは帰路についた。過去と現在が交差する一日は、心にやわらかな灯をともしてくれる。

石川県の馬の祭りで得た感動は、時を経ても色褪せることなく、いつまでも宝物になるだろうね。